お電話でのお問い合わせ045-555-9505
Makuakeで新商品を公開するとき、
「商標は取った方がいいのか」
「意匠登録も必要なのか」
「新しい仕組みなら特許を取った方がいいのか」
と迷う方は少なくありません。
結論からいうと、Makuakeで商品を公開する前には、商標・意匠・特許の3つを一度確認しておくことをおすすめします。
ただし、どの権利を優先すべきかは、その商品が
海外ですでに販売・公開されている輸入商品なのか
それとも、
自分で企画・開発したOEM・オリジナル商品なのか
によって大きく変わります。
基本的には、
と考えると分かりやすいです。
そして、Makuakeでは「公開してから考える」のではなく、公開する前に知財を確認することが非常に重要です。

Makuakeは、単に商品を販売する場所ではありません。
商品写真、構造、特徴、使い方、ブランド名などを、広く世の中に公開する場所でもあります。
ここが、特許や意匠では特に重要です。
日本では原則として、出願前に公開された発明やデザインは、新規性との関係で問題になる可能性があります。
特許については、公開前に出願するのが基本です。自らの公開など一定の条件を満たす場合には、公開から1年以内であれば新規性喪失の例外規定を利用できることがありますが、あくまで例外的な救済制度です。特許庁
意匠についても同様に、出願前にウェブサイト、展示会、刊行物などで公開されたデザインは原則として登録できません。一定の条件のもとで1年間の新規性喪失の例外があります。特許庁
そのため、
「まずMakuakeで反応を見て、売れそうなら特許や意匠を考えよう」
という順番では遅くなることがあります。

ブランド名 → 商標調査 → 知財確認 → Makuake公開
Makuakeで扱われる商品は、大きく2つのタイプに分けて考えると分かりやすいです。
例えば、
などで見つけた商品を、日本で初めて販売するケースです。
「日本初上陸」という商品でも、商品そのものはすでに海外で公開・販売されていることがあります。
中国などの工場で製造していたとしても、
のであれば、知財の考え方は大きく変わります。
この場合には、Makuake公開前に特許や意匠を取れないか確認することが非常に重要です。
海外商品を扱う場合に、まず覚えておきたいのが、
知的財産権は基本的に国ごとの権利
ということです。
例えば、海外メーカーが米国や中国で特許や商標を持っていたとしても、それだけで日本でも同じ権利を持っていることにはなりません。
逆に、日本にすでに第三者の権利が存在している可能性もあります。
したがって、海外メーカーの商品をMakuakeで扱う場合には、日本について、
を確認することが重要です。
場合によっては、販売開始前に知財調査が必要になります。
海外の商品を日本へ持ってくるケースでは、私は商標を比較的重要視しています。
海外メーカーが本国ではブランド名を商標登録していても、日本ではまだ商標を取っていないケースがあります。
Makuakeで商品がヒットした後、
Amazon、楽天、自社EC、実店舗などへ販売を広げていくのであれば、日本国内でブランドをどう守るかを考えておく必要があります。
そのため、輸入商品では、
「日本でこのブランド名を使えるのか」
を確認し、必要であれば早めに商標出願を検討するのがおすすめです。
ただし、
日本の商標権を誰が持つのか
については注意が必要です。
海外メーカー自身が取得するのか、日本の輸入代理店が取得するのかなどは、契約関係も含めて決める必要があります。
海外クラウドファンディングや展示会などですでに商品が公開されている場合、その公開内容が特許や意匠の新規性判断に影響します。
つまり、
「日本ではまだ売っていないから新しい」
とは限りません。
世界のどこかですでに公開されている技術やデザインであれば、日本で特許・意匠を取得する際に問題になることがあります。
一方で、一定の条件を満たす自らの公開などについては、特許・意匠とも公開から1年以内であれば新規性喪失の例外規定を利用できる可能性があります。特許庁
ただし、
「1年以内なら必ず取れる」
という意味ではありません。
例外規定を使うためには所定の手続が必要ですし、その間に第三者が同じ技術・デザインを公開したり、先に出願したりすることによって、権利取得が難しくなる可能性もあります。
したがって、例外規定を前提にするのではなく、原則として公開前に出願を検討するのが安全です。
自分で考えたOEM商品やオリジナル商品では、輸入品とは優先順位が変わります。
例えば、
といった商品です。
このような場合には、
Makuake公開前に、特許や意匠を取れないか確認する
ことを強くおすすめします。
なぜなら、取得できれば非常に強い独占権になる可能性があるからです。

輸入品:日本での権利確認+商標を重視
OEM:特許・意匠を先に確認+商標も重要
商品の魅力が、
などにある場合には、特許を検討します。
Makuakeでは、
「従来の商品とはここが違います」
という部分を強くアピールすることが多いと思います。
しかし、それは同時に、商品の技術的な特徴を広く公開することでもあります。
そのため、
Makuakeに公開する前に特許出願できないか確認する
ことが重要です。
特許が取れれば、その技術について他社による実施を一定期間排除できる強い権利となります。
模倣されやすい物販商品では、大きな武器になります。
商品の価値が、
などにある場合には、意匠登録を検討します。
Makuakeでは商品写真を大きく掲載し、
商品のデザインそのものを魅力として見せる
ことが多いため、意匠との相性は非常に良いです。
一方で、公開すると誰でもそのデザインを見ることができます。
したがって、
「このデザインを真似されたくない」
のであれば、Makuake公開前に意匠出願を検討することが重要です。
輸入品でもOEMでも共通して重要なのが商標です。
Makuakeの商品ページでは、
などを前面に出して販売します。
そして、Makuakeで反響があれば、その名称を使ってAmazonや楽天などへ販売を広げていくケースも多いでしょう。
ところが、販売を始めてから、
「そのブランド名は商標登録できません」
となると大変です。
そのため、ブランド名・商品名が決まった段階で商標調査を行い、問題がなさそうであれば早めに出願することをおすすめします。
Makuake公開前に何を取るべきかは、商品によって異なります。
| 商品のタイプ | 最初に確認したい知財 |
|---|---|
| 海外ですでに販売・公開されている輸入商品 | 日本での権利状況+商標 |
| 自分で考えた新しい技術・構造のOEM商品 | 特許を優先して検討 |
| 独自の外観デザインを持つOEM商品 | 意匠を優先して検討 |
| ブランド名・商品名を付けて販売する商品 | 商標を検討 |
| 技術・デザイン・ブランドすべて独自 | 特許+意匠+商標を組み合わせる |
つまり、
商標か、意匠か、特許か、一つだけを選ぶ必要はありません。
商品によっては3つを組み合わせることで、より強い知財戦略を作ることができます。

商標=名前を守る
意匠=見た目を守る
特許=技術を守る
例えば、新しい構造を持つデザイン性の高い商品に独自ブランド名を付けた場合、
というように、複数の知的財産権で商品を守ることができます。
これを一般に知財ミックスなどと呼びます。
物販商品では、一つの権利だけで商品全体を完全に守ることは難しい場合があります。
そのため、
「この商品のどの部分が価値なのか」
を分解して考えることが重要です。
自分で考えた商品を中国などのOEM工場に製造してもらう場合には、Makuake公開前だけを気にすればよいわけではありません。
工場に、
などを渡す段階から情報管理を考える必要があります。
特に重要なアイデアであれば、
詳細な情報を工場へ渡す前に特許出願を検討する
こともあります。
また、必要に応じて秘密保持契約(NDA)を締結することも検討します。
せっかく自分で考えた商品なのに、製造段階でアイデアが流出してしまっては意味がありません。
公開前には、最低限次の点を確認しておくとよいでしょう。
全部の商品で特許・意匠・商標の3つを取る必要はありません。
大切なのは、公開する前に一度「この商品では何を守るべきか」を考えることです。
Makuakeで商標・意匠・特許のどれを取るべきかは、一律には決まりません。
まず、
海外ですでに販売されている輸入商品なのか
自分で考えたOEM・オリジナル商品なのか
によって、知財戦略が大きく変わります。
海外輸入品であれば、
日本国内の権利状況を確認し、ブランドを守る商標を検討する。
自分で考えたOEM商品であれば、
Makuake公開前に特許・意匠を最優先で検討し、ブランド名について商標も押さえる。
という考え方が基本になります。
特に特許・意匠は、Makuakeで公開した後では新規性が問題になる可能性があります。
そのため、
「公開してから考える」のではなく、「公開前に一度知財を確認する」
ことをおすすめします。
遠山総合特許事務所では、Makuake、クラウドファンディング、OEM商品、海外輸入商品について、
といった段階からご相談いただけます。
商品の内容や販売方法、これまでの公開状況などを確認したうえで、必要な知財対策をご提案します。
→ Amazonブランド登録には商標登録が必要?4つのメリットを弁理士が解説
https://toyamapat.com/archives/1639
→ Amazonブランド登録のための商標は何類?第35類(小売)と商品区分の選び方
https://toyamapat.com/archives/1645
→ Amazon出品前に商標登録すべき?ベストな出願タイミングを弁理士が解説
https://toyamapat.com/archives/1662
執筆・監修:弁理士 遠山敬一
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。