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【アイデア段階でも特許は取れる?】商品化前のひらめきを守る方法を横浜の特許事務所が解説

「こんなサービスを思いついた!」「この問題を解決できる画期的な仕組みを考えた!」

そんな素晴らしいひらめきが浮かんでも、「まだ具体的な商品になっていないし、ただのアイデアだから…」と諦めていませんか?

実は、アイデア段階で商品化していなくても、特許を取得できる可能性は十分にあります。

この記事では、どのようなアイデアが特許になり、商品化前のひらめきを権利として守るためには何をすれば良いのか、分かりやすく解説していきます。

特許のキホン:「アイデア」そのものでは特許にならない

まず大切なことからお話しします。残念ながら、単なる「アイデア」や「思いつき」そのものを、そのまま特許にすることはできません。

例えば、

  • 「どこでもドアがあったらいいな」
  • 「念じるだけで操作できるスマホ」

といったアイデアだけでは、特許の対象にはなりません。なぜなら、特許制度は「産業の発達」を目的としており、他の人の研究開発を不当に妨げないよう、具体的に実現できる「発明」を保護するというルールがあるからです。

では、「アイデア」をどうすれば特許になりうる「発明」に変えることができるのでしょうか?

「アイデア」を「発明」に変える3つのポイント

頭の中にあるアイデアを特許庁に「発明」として認めてもらうには、次の3つのポイントを押さえて具体化する必要があります。

ポイント1:具体性(どうやって実現するのか?)

最も重要なのが**「どうやって、そのアイデアを実現するのか」という具体的な手段**を示すことです。

先ほどの「どこでもドア」を例に考えてみましょう。

  • 単なるアイデア: 「どこでもドア」
  • 発明に近づける: 「A地点の空間情報をスキャンし、B地点にその情報を転送して再構成する装置。この装置は、空間スキャナ、情報転送ユニット、空間再構成ユニットから構成される…」

このように、「どのような部品や技術を使って」「どのように動作させるのか」を具体的に説明する必要があります。試作品がなくても、設計図や仕組みを図や文章で論理的に説明できれば大丈夫です。

ポイント2:課題と解決策(何のために、どうやって解決するのか?)

あなたのアイデアが「世の中のどんな課題を」「どのように解決するのか」を明確にすることも重要です。

  • 課題: 遠距離の移動には時間とコストがかかる。
  • 解決策: 独自の空間転送技術を用いることで、人やモノを瞬時に移動させ、時間とコストを大幅に削減する。

この「課題と解決策」のセットで説明することで、アイデアの価値や有用性が明確になり、特許として認められやすくなります。

ポイント3:再現性(誰でも作れるレベルで説明できるか?)

特許を出願する際に提出する「特許請求の範囲」や「明細書」という書類には、その分野の専門家が読めば、同じものを作ったり再現したりできる(実施できる)レベルで、発明の内容を詳細に記載する必要があります。これを「実施可能要件」と呼びます。

実際に商品を一つも作っていなくても、「この説明を読めば、専門家なら作れるよね」というレベルまで、アイデアを具体的に文章や図面に落とし込むことが求められるのです。

商品化していない段階で出願するメリット・デメリット

まだ商品になっていない段階で特許出願することには、良い点も注意すべき点もあります。

メリットデメリット
他社に先駆けられる権利範囲が狭くなる可能性
アイデアをいち早く権利化し、他社による模倣を防ぎ、ビジネスを優位に進められます。具体的な製品がないため、出願書類に書ける実施例が少なくなり、権利の範囲が限定的になることがあります。
ライセンスという選択肢陳腐化のリスク
自社で商品化しなくても、他社に特許を使わせてライセンス料を得るという道も開けます。技術の進歩が速い分野では、特許が成立する頃には技術が古くなってしまう可能性があります。
開発の方向性が明確になる費用がかかる
特許出願の準備を通じてアイデアが整理され、今後の開発計画が立てやすくなります。当然ながら、出願には特許庁に支払う印紙代や、専門家である弁理士に依頼した場合はその費用が発生します。

【最重要】アイデアを思いついたら、まず何をすべきか?

「自分のアイデア、特許にできるかも!」と思ったら、権利化の可能性を失わないために、以下の行動を心がけてください。

  1. 絶対に公表しない! ブログやSNS、イベントでの発表など、不特定多数の人にアイデアを公表してしまうと、その発明は「新しいもの(新規性)」ではないと判断され、原則として特許を取得できなくなります。アイデアは、まず誰にも話さず秘密にしてください。
  2. 記録を残す アイデアを思いついた日付、その具体的な内容、図、仕組みなどを、ノートやファイルに詳細に記録しておきましょう。後々、自分が最初に発明したことを証明する証拠になる可能性があります。
  3. 専門家(弁理士)に相談する アイデアが特許になる可能性があるか、どうすれば権利化できるか、最も確実なのは特許の専門家である「弁理士」に相談することです。多くの特許事務所では無料相談を実施していますので、まずは気軽にコンタクトを取ってみることをお勧めします。

まとめ

  • アイデア段階でも、具体的に説明できれば特許になる可能性はある。
  • 商品化や試作品は必須ではない。
  • 「どうやって実現するか」「何の課題を解決するか」「専門家が再現できるか」を明確にすることが重要。
  • ひらめいたら、まずは「公表せず、記録し、専門家に相談」!

あなたの頭の中にあるそのひらめきは、まだ世にない価値を持つ「未来の宝物」かもしれません。商品化していないからと諦めずに、まずは権利化への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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