お電話でのお問い合わせ045-555-9505

新製品を出すときに、
「これは特許で守るべきなのか?」
「意匠登録の方が向いているのか?」
「両方取った方がいいのか?」
と迷う方は少なくありません。
結論からいうと、技術的な工夫や仕組みを守りたいなら特許、見た目やデザインを守りたいなら意匠というのが基本です。
そして、技術とデザインの両方に価値がある製品であれば、特許と意匠の両方で守るのが理想的です。
新製品には、いろいろな価値が含まれています。
例えば、
などです。
このうち、どこをどの権利で守るのかを整理しておくことが、新商品を有利に展開するうえでとても重要です。
今回は、新製品を守るときに特許と意匠のどちらを選ぶべきか、その違いと使い分けを分かりやすく解説します。

特許と意匠は、どちらも新製品を守るための大切な知的財産権ですが、守る対象が違います。
大きく分けると、次のように考えると分かりやすいです。
つまり、
「この製品の強みはどこにあるのか」
を考えることが出発点になります。
例えば、使いやすくするための新しい機構や制御方法に特徴があるなら、まず特許を検討します。
一方で、商品の形や見た目そのものが差別化ポイントになっているなら、意匠登録を検討します。
特許は、発明を保護する制度です。
ここでいう発明とは、簡単にいえば技術的なアイデアです。
例えば、新しいスマートフォンを出す場合であれば、
といったものは、特許で守る対象になり得ます。
つまり、中身のテクノロジーです。
特許は、こうした技術的な工夫について、言葉で権利範囲を定めていくのが特徴です。
そのため、発明の本質をうまく捉えることができれば、比較的広い範囲で権利を取れる場合があります。
新製品の強みが、
「この構造が新しい」
「この仕組みが新しい」
「この機能の実現方法が新しい」
というところにあるなら、特許をまず考えるべきです。
意匠は、物品などの形状、模様、色彩、またはそれらの結合による美感を保護する制度です。
簡単にいえば、見た目のデザインを守る権利です。
例えば、スマートフォンでいえば、
などが意匠の対象になり得ます。
極端な例ですが、三角形のスマートフォンや菱形のスマートフォンのように、明らかに外観に特徴がある場合は、意匠で守るイメージが分かりやすいでしょう。
もちろん、そこまで極端でなくても構いません。
製品の見た目に特徴があり、それ自体が商品の魅力になっているなら、意匠登録を検討する価値があります。
新しいスマートフォンを開発した場合を例にすると、特許と意匠の違いは非常に分かりやすいです。
つまり、
中身は特許、見た目は意匠
というイメージです。
この整理ができると、どちらを検討すべきかがかなり分かりやすくなります。
ここは非常に大事なポイントです。
新製品を守るというと、
「特許か意匠か、どちらか一つを選ぶ」
というイメージを持たれることがあります。
しかし、実際にはどちらか一方だけとは限りません。
製品によっては、
ということが普通にあります。
そのような場合は、特許と意匠の両方で守るのがベストです。
例えば、
という製品なら、
という形で、別々の権利として押さえることができます。
守る範囲が違うので、両方取ることでより強く製品を保護できます。

初心者の方に説明するときには、
「特許は比較的広く取りやすく、意匠は外観ベースなので範囲の考え方が違う」
とお伝えすることが多いです。
特許は、特許請求の範囲という文章で権利を定義します。
そのため、発明の本質をうまく抽象化できれば、ある程度広く権利範囲を取れる場合があります。
一方で、意匠は見た目を前提とした権利です。
登録された意匠そのものだけでなく、それに類似する意匠にも効力は及びますが、やはり外観を基準に判断するため、特許とは権利範囲の考え方が異なります。
ですので、
という理解をしておくと分かりやすいです。
新商品を出すときには、技術やデザインだけでなく、名前も重要です。
例えば、
などです。
これらは、特許でも意匠でもなく、商標で守るのが基本です。
つまり、新製品を守るというときには、
という形で、守る対象ごとに制度が分かれています。
大事な新商品であれば、これらを組み合わせて守ることも十分考えられます。
新商品では、次のような組み合わせがよくあります。
→ 特許を中心に検討
→ 意匠を中心に検討
→ 特許+意匠
→ 特許+意匠+商標
このように、どれか一つだけで考えず、製品の価値を分解して考えることが大切です。
実務上は、最初から
「これは絶対に特許だけ」
「これは意匠だけ」
と決めつけない方がよいことも多いです。
見た目が特徴的な製品でも、中に独自の構造があるかもしれません。
逆に、技術製品だと思っていても、外観に十分な特徴がある場合があります。
そのため、迷ったときは、
特許の可能性もあるか
意匠の可能性もあるか
を両方の視点から確認するのがおすすめです。
特に、これから主力商品にしたい製品や、模倣されると困る製品であれば、最初の段階で幅広く検討しておく意味があります。

理想的には、公開前・販売前の段階で相談するのがおすすめです。
例えば、
などです。
特許や意匠は、公開前の対応が重要になることがあります。
そのため、
売り始めてから考える
よりも、
出す前に確認しておく
方が安全です。
新製品を特許と意匠のどちらで守るべきか。
結論としては、次のように整理できます。
新商品では、技術とデザインの両方に特徴があることも多いため、どちらか一方だけではなく、両方で守るという発想がとても大切です。
特に、これから育てていきたい主力商品や、模倣されたくない重要商品であれば、早い段階で知財の取り方を考えておくことをおすすめします。
遠山総合特許事務所では、
といったご相談に対応しています。
製品の内容を確認しながら、どの知的財産権で守るのが適切かをご提案します。
執筆・監修:弁理士 遠山敬一
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。