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AIを使えば、以前よりもはるかに簡単にアプリやシステムを作れるようになりました。
ChatGPTやClaudeなどにコードを書いてもらったり、AIコーディングツールを使ったり、ノーコード・ローコードツールを使ったりして、プログラミングの専門家でなくてもアプリを形にできる時代になっています。
そこでよく出てくる疑問が、
「AIで作ったアプリでも特許は取れるの?」
というものです。
結論からいうと、AIで作ったアプリでも特許になる可能性は十分あります。
重要なのは、
誰がコードを書いたか
でも、
AIを使って開発したか
でもありません。
特許になるかどうかは、出来上がったアプリやシステムの処理・機能・仕組みに、新規性・進歩性などの特許性があるかどうかで判断されます。
つまり、AIやノーコードはあくまで「作るためのツール」です。
特許で見るのは、出来上がったアプリの中身です。

例えば、同じアプリを作る場合でも、
といった方法があります。
しかし、特許の観点では、これらの開発方法そのものが本質ではありません。
大切なのは、
そのアプリが何をしているのか
です。
例えば、
といった部分を見ます。
その中に独自の技術的な工夫があり、新規性・進歩性が認められるのであれば、AIで作ったアプリであっても特許になる可能性があります。
特許庁もAI関連発明について、通常の発明と同様に新規性・進歩性・記載要件・発明該当性などの観点から審査しています。特許庁
逆に、
「AIを使ってアプリを作りました」
というだけでは、特許になるとは限りません。
例えば、すでに世の中にあるアプリと同じ機能を、AIを使って短時間で作っただけの場合です。
従来からある、
を単純に組み合わせただけであれば、新規性や進歩性が問題になる可能性があります。
特許になるためには、
そのアプリ独自の処理や仕組み
が必要です。
例えば、
といった部分です。
つまり、
「作ったこと」ではなく、「何を作ったか」
が重要です。

では、どのようなアプリが特許になりやすいのでしょうか。
大きくいうと、
従来にはない処理・機能・仕組みがあるアプリ
です。
例えば、
入力されたデータを、従来とは違う方法で処理する場合です。
従来のアプリにはなかった機能を実現している場合です。
例えば、
などの工夫です。
このような特徴があれば、特許化を検討する価値があります。
システムやアプリの特許では、処理の流れが非常に重要です。
例えば、
入力
↓
処理
↓
判断
↓
出力
という形です。
この各段階で、
を整理します。
そして、その流れのどこに従来技術との違いがあるのかを見ます。
そのため、AIでアプリを作る場合でも、
処理の流れをきちんと説明できること
が非常に重要です。

ここは、AI開発特有の注意点だと思っています。
AIを使うと、
「とりあえずこういう機能を作って」
「次にこの機能も追加して」
「やっぱりここを変えて」
という形で、会話をしながらどんどんアプリを作れてしまいます。
これは非常に便利です。
しかし、行き当たりばったりで作っていると、
最終的にアプリの中で何をしているのか、開発者自身が十分に把握していない
ということが起こり得ます。
特許出願では、
「こんな便利なアプリができました」
だけでは足りません。
発明の内容を、第三者が理解できる程度に具体的に説明する必要があります。
特許法上も、明細書には当業者が発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載することが求められます。特許庁もAI関連発明について、記載要件は他の技術分野と同様に重要であるとしています。特許庁
そのため、
を説明できないと、明細書を十分に書けない可能性があります。
私は、AIを使ってアプリを作る場合でも、できれば最初にある程度の要件定義をしておくことをおすすめします。
例えば、
を整理しておきます。
要件定義ができていれば、アプリ自体も作りやすくなります。
それだけでなく、特許出願を検討するときにも、
発明のポイントを整理しやすくなる
というメリットがあります。
これも同じです。
ノーコードで作ったからといって、特許にならないわけではありません。
ノーコードは、あくまでシステムを実装するための方法です。
出来上がったシステムについて、
などがあれば、特許になる可能性があります。
逆に、プログラマーが何万行ものコードを書いて作ったアプリでも、中身が既存技術そのものであれば、特許にならない可能性があります。
したがって、
「ノーコードだから特許にならない」
「AIで作ったから特許にならない」
という考え方は、基本的には違います。
最近では、AIがかなりの割合のコードを生成することも珍しくありません。
ただ、今回のテーマで重要なのは、
コードを誰が書いたかではなく、発明の内容が何か
です。
特許は、ソースコードそのものを登録する制度ではありません。
システムとして、
を見ます。
そのため、AIにコードを書いてもらったとしても、発明としての仕組みが新しければ特許化を検討できます。
なお、「AIが発明者になれるか」という問題は別の論点ですので、これは別の記事で詳しく扱いたいと思います。
アプリ全体をそのまま特許にするというより、
特徴的な処理部分を発明として切り出す
ことが多いです。
例えば、
ユーザーの情報を取得
↓
特定の方法で分類
↓
AIで分析
↓
独自の条件で結果を評価
↓
ユーザーへ最適な情報を提示
というシステムがあったとします。
この場合、
「特定の方法で分類する部分」
や、
「AIの出力を独自の方法で評価する部分」
などが発明のポイントになるかもしれません。
重要なのは、
「このアプリの何が今までと違うのか」
を明確にすることです。
AIアプリを開発している場合は、サービス公開前に一度特許を検討することをおすすめします。
例えば、
ことで、発明内容が公になる可能性があります。
特許は原則として、公開前に出願する方が安全です。
したがって、
「アプリが完成してから特許を考える」
よりも、
「処理の仕組みがある程度固まった段階で特許性を確認する」
という進め方がおすすめです。
システムが完全に完成している必要はありません。
例えば、
でも相談できます。
むしろ、公開してから相談するよりも、早い段階で相談した方が、
どの部分を特許として押さえるか
を検討しやすくなります。
AIで作ったアプリでも特許は取れる可能性があります。
重要なのは、
AIを使ったかどうかではありません。
見るべきなのは、
出来上がったアプリの処理・機能・仕組みです。
その中に、
があり、新規性・進歩性などの特許要件を満たせば、特許になり得ます。
一方、AIを使って行き当たりばったりで開発した結果、
「アプリの内部で何をしているのか十分説明できない」
状態になってしまうと、特許出願では不利になる可能性があります。
AIを使って開発する場合でも、
要件定義
↓
処理の整理
↓
開発
↓
特許性の確認
という流れを意識するとよいでしょう。
遠山総合特許事務所では、
といった段階からご相談いただけます。
アプリの機能や処理フローを確認したうえで、どこに特許化できる可能性があるかを検討します。
→ AIを使ったサービスは特許になる?生成AI・LLM・AIアプリの特許化を弁理士が解説
https://toyamapat.com/archives/1679
執筆・監修:弁理士 遠山敬一
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