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Amazonで自社ブランドの商品を販売しようとすると、
「商標はいつ出願すればいいの?」
「商品が売れてからでも大丈夫?」
「Amazonに出品する前に商標登録しておいた方がいい?」
と迷う方は少なくありません。
結論からいうと、私は、ブランド名が決まり、商標調査をして登録できそうだと分かった段階で、できるだけ早く商標出願することをおすすめしています。
Amazonへの出品まで待つ必要はありません。
むしろ、
ブランド名を決める
→ 商標調査をする
→ 商標出願をする
→ 商品やパッケージ、商品ページの準備を進める
→ Amazonで販売を開始する
という順番が理想です。
理由の一つは、現在、通常の商標審査にはかなり時間がかかるからです。
特許庁が2026年6月時点で公表している審査着手の見通しでは、分野によっては出願から審査着手まで7〜9か月程度が目安となっています。特許庁
「売れてから商標を考えればいい」と思っていると、その時点からさらに数か月待つことになりかねません。
そこで今回は、Amazon物販において商標を出願するベストなタイミングについて、弁理士の立場から解説します。

Amazon出品までの流れ
ブランド名決定 → 商標調査 → 商標出願 → 商品・ページ準備 → Amazon出品
私は、Amazonで自社ブランド商品を販売するのであれば、原則として出品前に商標出願しておくことをおすすめしています。
ただし、
「商標登録が完了するまでAmazonへの出品を待ちましょう」
という意味ではありません。
商標登録には審査が必要ですので、出願してから実際に登録されるまでには時間がかかります。
大切なのは、Amazonへの出品前に、商標の権利化に向けた手続きをスタートしておくことです。
商品が完成してからでもなく、Amazonで売れ始めてからでもなく、
「このブランド名でいこう」と決めた段階
が、商標を検討する一つの大きなタイミングだと私は考えています。
商標は、今日出願して来月登録されるというものではありません。
特許庁は、審査未着手案件について分野ごとの審査着手見通しを公表しており、2026年6月時点では、第35類などを含む一部の分野で7〜9か月程度が目安となっています。特許庁
もちろん、これはあくまで目安であり、案件によって前後します。
しかし、現在は、
「普通に出願すれば半年くらいで何とかなるだろう」
と安易に考えない方がよい状況です。
だからこそ、ブランド名が決まったのであれば、販売開始を待たずに早めに出願手続きを進める意味があります。
Amazon販売では、出品までにさまざまな準備が必要です。
ブランド名を決めた後には、
などを作っていきます。
ところが、それらをすべて作った後に商標調査をして、
「似た登録商標がすでに存在していた」
と分かったらどうでしょうか。
ブランド名を変更する場合、
パッケージを作り直したり、商品画像を撮り直したり、商品ページを修正したりする必要が出てくる可能性があります。
場合によっては、すでに製造した商品の対応まで考えなければなりません。
それなら、ブランド名を決めた直後に商標調査をする方がはるかに効率的です。
問題がありそうなら、その時点で別のブランド名を考えることもできます。
ここで重要なのは、ブランド名を決めたらいきなり出願するのではなく、まず商標調査をすることです。
自分では非常に良いブランド名だと思っていても、すでに他社が同じような名称を商標登録している場合があります。
そのため、
ブランド名決定
→ 商標調査
→ 登録可能性を確認
→ 商標出願
という順番がおすすめです。
商標調査で問題がなさそうであれば、商品完成やAmazonへの出品まで待つ必要はなく、その段階で出願をスタートすればよいと思います。

売れてからでは遅いことも
販売開始 → レビュー蓄積 → 商標NG判明 → ブランド変更
「後回しより、早めの商標調査・出願」
商標についてもう一つ重要なのが、先願主義です。
日本の商標制度では、原則として、同一・類似の商標について複数の出願が競合した場合、先に出願した側が優先されます。
そのため、
「自分の方が先にAmazonで使っているから大丈夫」
とは限りません。
せっかく自分がブランドを育てていても、商標出願を後回しにしている間に第三者が先に出願すれば、問題が生じる可能性があります。
私は、Amazon物販のようにブランド名を前面に出して商品を販売するビジネスでは、この点も早めに出願する大きな理由だと考えています。
「7〜9か月も待てない」
という場合には、商標の早期審査制度を利用できる可能性があります。
特許庁によると、早期審査の申出から最初の審査結果の通知までは平均2か月程度です。特許庁
通常審査と比べると、かなり早く結果が出ます。
ただし、誰でも無条件に利用できるわけではありません。
基本的には、出願商標をすでに使用している、または使用の準備を相当程度進めていることなどが必要です。特許庁
使用や使用準備を示す資料も必要になります。
そのため、
「まだ商品も何も決まっていないけれど、早期審査だけ使いたい」
という使い方は難しいです。
ここは誤解されやすいところです。
早期審査の申出そのものについて、特許庁への手数料はかかりません。 特許庁
ただし、通常の商標出願とは別に、
などが必要になります。
そのため、弁理士などの代理人に手続きを依頼する場合には、一般的には通常出願とは別の代理人手数料がかかる場合が多いです。
つまり、
特許庁への早期審査申出手数料:無料
ですが、
代理人に依頼する場合の手続費用:別途かかる場合が多い
という整理です。

通常審査と早期審査
通常審査:7〜9か月程度の分野あり
早期審査:平均約2か月
「急ぐときは早期審査も検討」
Amazon物販を始める方からすると、
「それなら最初から早期審査を使えばいいのでは?」
と思うかもしれません。
もちろん、条件を満たしていて、早期の権利化が必要な場合には有効です。
ただ、Amazon出品前のかなり早い段階では、まだ商標を実際に使っていなかったり、使用準備を客観的に証明できるところまで進んでいなかったりすることがあります。
早期審査を利用するためだけに販売準備を急ぐより、
ブランド名が決まった段階で通常出願を先にしてしまう
方がシンプルなケースも多いでしょう。
私は基本的には、
取れそうなブランド名が決まったら早く通常出願する。
急いで権利化する必要が生じ、条件を満たす場合には早期審査を検討する。
という順番で考えるのが分かりやすいと思っています。
改めて整理すると、私がおすすめする流れは次のとおりです。
STEP 1 ブランド名を決める
まず、Amazonで使うブランド名の候補を決めます。
STEP 2 商標調査をする
同じ・似た商標がすでに登録・出願されていないかを調べます。
STEP 3 問題がなさそうなら商標出願する
ここで、商品完成やAmazon出品を待つ必要はありません。
STEP 4 商品・パッケージ・商品ページを作る
商標出願と並行して販売準備を進めます。
STEP 5 Amazonで販売を開始する
商標の審査を待っている間にも、事業の準備を進めることができます。
つまり、商標出願とAmazon販売の準備を並行して進めるのが効率的だと思います。
もちろん、
「もうAmazonで販売を始めてしまった」
という方でも、商標出願は可能です。
今からでは遅すぎるということではありません。
ただし、ブランドを使う期間が長くなるほど、
商品ページ、レビュー、広告、パッケージなど、そのブランド名に積み上がる資産も増えていきます。
問題が発生してからブランド名を変更する負担も大きくなります。
そのため、まだ出願していないのであれば、できるだけ早めに一度商標を確認することをおすすめします。
Amazon物販で商標を出願するベストなタイミングはいつか。
私は、ブランド名が決まり、商標調査をして登録可能性がありそうだと分かった段階だと考えています。
Amazonへの出品を待つ必要はありません。
商品が売れるまで待つ必要もありません。
むしろ、
ブランド名決定
→ 商標調査
→ 商標出願
→ 商品・販売準備
→ Amazon出品
という順番がおすすめです。
特に現在は、分野によって通常審査の着手まで7〜9か月程度かかる見通しです。特許庁
それだけに、
「売れてから考えればいい」ではなく、「ブランド名が決まったら早めに動く」
という姿勢が大切です。
遠山総合特許事務所では、Amazon物販、中国輸入、OEM商品の商標について、
「このブランド名は登録できそうか」
「出品前のどの段階で商標を出せばいいか」
「通常審査と早期審査のどちらがよいか」
「Amazonブランド登録まで含めて商標を考えたい」
といった段階からご相談いただけます。
現在の商品開発や販売準備の状況を確認したうえで、適切な商標の取り方と出願タイミングをご提案します。
→ Amazonブランド登録には商標登録が必要?4つのメリットを弁理士が解説
https://toyamapat.com/archives/1639
→ Amazonブランド登録のための商標は何類?第35類(小売)と商品区分の選び方
https://toyamapat.com/archives/1645
→ Amazonブランド登録は文字商標とロゴ商標どちらがいい?標準文字をおすすめする理由
https://toyamapat.com/archives/1654
執筆・監修:弁理士 遠山敬一
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