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「うちの会社には、土地や建物みたいな資産はないから…」 そう思っていませんか?実は、目には見えなくても、あなたの会社には価値ある「資産」が眠っているかもしれません。その代表格が「商標権」です。
この記事では、「商標権ってそもそも何?」という基本から、なぜそれが会社の重要な「資産」と言えるのか、そしてその価値はどのようにビジネスに影響するのかを、ブログ形式で分かりやすく解説します。
商標権とは、一言でいうと「自社の商品やサービスを、他社のものと区別するためのマーク(名前やロゴ)を独占的に使える権利」のことです。
例えば、お店でリンゴのマークがついたスマートフォンを見れば、「Apple社のiPhoneだな」と多くの人が認識しますよね。このリンゴのマークのように、商品やサービスの「顔」となるものを守るのが商標権の役割です。
この権利は、特許庁に出願し、登録査定を受けることで正式に発生します。
では、本題です。なぜこの「権利」が「資産」なのでしょうか?理由は大きく分けて2つあります。
会社の財産状況を示す「貸借対照表(B/S)」という書類があります。ここには、会社が保有するプラスの財産(資産)とマイナスの財産(負債)などが記載されます。
商標権は、法律で定められた権利であり、会社に経済的な利益をもたらす価値があるため、会計のルール上「無形固定資産」という資産の区分に分類されます。
つまり、商標権は会計のプロから見ても、土地や建物と同じ「資産」として正式に扱われているのです。
会計上の話だけでなく、商標権はビジネスの現場で具体的に様々な価値を生み出します。これこそが、資産であることの何よりの証明です。
お客様は、商品やサービスについているロゴや名前を見て、「あの会社の製品なら安心だ」「品質が良いだろう」と判断します。商標を使い続けることで、そこにお客様からの「信用」がどんどん蓄積されていきます。
この積み重ねられた信用が「ブランド価値」となり、価格競争に巻き込まれにくくなる、顧客がファンになってくれるといった大きなメリットにつながります。
商標権は、直接的に収益を生み出す力も持っています。
驚くかもしれませんが、商標権を担保にして、金融機関から融資を受けられる場合があります(商標権担保融資)。これは、金融機関も商標権を換金価値のある「資産」として認めている証拠です。特に、ブランドが広く認知されている場合は、有力な資金調達の手段になり得ます。
会社の売買(M&A)や事業譲渡の際、その会社のブランド価値は企業価値を評価する上で非常に重要な要素となります。強力な商標権を持っていることは、会社をより高く評価してもらうための大きなプラス材料になるのです。
「じゃあ、うちの会社の商標は一体いくらなの?」と気になるかもしれません。
商標権の価値は、不動産のように決まった価格があるわけではありません。その価値を評価するには、専門家が以下のような様々な要素を総合的に判断します。
これらの要素から、専門的な計算方法(インカムアプローチ、マーケットアプローチなど)を用いて、具体的な金額が算出されます。
いかがでしたでしょうか。商標権が単なる「マークを守る権利」ではなく、会社の信用を蓄積し、収益を生み出し、時には資金調達にも活用できる**「攻めの資産」**であることがお分かりいただけたかと思います。
資産としての側面 | 具体的な価値 |
会計上の資産 | 貸借対照表に計上される「無形固定資産」 |
ビジネス上の資産 | ブランド価値の構築、ライセンス収益、模倣品排除、資金調達、M&Aでの高評価 |
あなたの会社の名前やロゴは、お客様が商品を選ぶ際の「目印」であり、安心と信頼の「証」です。その大切な資産を守り、さらに価値を高めていくために、ぜひ商標登録を検討してみてください。それは、未来のビジネスへの確かな投資となるはずです。
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