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「せっかく時間と情熱をかけて生み出したデザインが、簡単に真似されてしまった…」
デザイナーとして活動していると、そんな悔しい思いをすることがあるかもしれません。素晴らしいデザインは、ときに言葉以上に人の心を動かし、製品やサービスの価値を決定づける力を持っています。
そんな大切なデザインを守るための強力な武器が「意匠権(いしょうけん)」です。
今回は、デザイナーなら絶対に知っておきたい意匠権の基本から、権利の取り方、そして失敗しないための注意点まで、分かりやすく解説していきます。
意匠権をひと言でいうと、「デザインの独占権」です。
特許庁に申請し、登録が認められると、一定期間(出願から最長25年)、そのデザインとそれに似たデザインを独占的に実施(製造・販売など)できる権利が与えられます。
もし他人が無断でそのデザインを真似したり、使ったりした場合には、製造・販売の差し止めを求めたり、損害賠償を請求したりすることができます。
「デザイン」と一言で言っても様々ですが、意匠権で保護される「意匠」とは、**「物品の形状、模様、色彩、またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」**と法律で定められています。
具体的には、以下のようなものが対象になります。
Webサイト全体のデザイン(レイアウトや配色)は基本的には対象外ですが、サイト内で使われるアイコンや特徴的なボタンなどの「画像」は登録の対象になり得ます。
意匠権を取得すると、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。
どんなデザインでも登録できるわけではありません。審査をクリアするためには、主に以下の3つの条件を満たす必要があります。
意匠権を取得するための、大まかなステップは以下の通りです。
専門知識が必要なため、弁理士という国家資格を持つ専門家に依頼するのが一般的ですが、自分で手続きを行うことも可能です。
意匠権で失敗しないために、これだけは覚えておいてください。
これが鉄則です。 うっかり自分のSNSやポートフォリオサイトに新作デザインをアップしてしまった…その瞬間に「新規性」が失われ、原則として意匠登録ができなくなってしまいます。
ただし、「新規性喪失の例外規定」という救済措置があり、公開から1年以内であれば登録が認められる場合があります。しかし、手続きが複雑になるため、**「デザインが完成したら、まず出願を検討する」**という意識を持つことが何よりも大切です。
デザインのどの部分を守りたいのかを明確にしましょう。
「部分意匠」をうまく活用すると、デザインの一部だけを真似された場合でも権利を主張しやすくなるなど、より強力な保護に繋がります。
意匠権は、デザイナーの皆さんの創造的な努力と才能を守り、その価値を正当に評価してもらうための、非常にパワフルな制度です。
「手続きが難しそう…」「費用がかかりそう…」と感じるかもしれませんが、その投資は、将来の模倣リスクを防ぎ、ビジネスを大きく飛躍させるきっかけになるかもしれません。
自分の大切なデザインを守り、さらに活躍の場を広げるために、ぜひ「意匠権」という武器を手に入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
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