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【知らないと危険!】他人の登録商標を勝手に使ったらどうなる?3つのリスクと対策を横浜の特許事務所が解説

自分のブログやSNS、商品名に「この名前、カッコいいかも!」と、どこかで聞いたことのあるキャッチーな言葉やロゴを使いたくなった経験はありませんか?

ちょっと待ってください!その名称やロゴ、もしかしたら誰かが大切に育ててきた「登録商標」かもしれません。

今回は、そんな他人の登録商標をうっかり使ってしまった場合に起こる、ちょっと怖いお話を、ブログ記事の構成で分かりやすく解説します。

そもそも「登録商標」って何?

レストランの看板、スマートフォンの裏にあるリンゴのマーク、お気に入りの洋服のタグについているロゴ。私たちの周りは「商標」であふれています。

商標とは、自分の商品やサービスを、他人のものと区別するための「目印」のことです。そして、特許庁に申請し、登録が認められた商標を「登録商標」と呼びます。

登録商標は、いわばビジネスの世界における「名前」や「看板」のようなもの。商標法という法律によって固く守られており、登録した人(商標権者)だけが、その商標を指定した商品やサービスの範囲で独占的に使用できる強力な権利を持っています。

【本題】登録商標を勝手に使うと、どうなる?考えられる3つのリスク

では、もし他人の登録商標を無断で使ってしまった場合、具体的にどのような事態が起こりうるのでしょうか。大きく分けて3つのリスクが考えられます。

リスク1:民事上の請求(お金や使用停止を求められる)

商標権を持っている人(商標権者)から、次のような民事上の請求を受ける可能性があります。

  • 差止請求(さしとめせいきゅう) 「その商標を使うのはやめてください!」と、商標の使用停止を求められます。もしウェブサイトや商品パッケージでその商標を使っていた場合、サイトの修正や商品の回収・廃棄などをしなければならなくなります。
  • 損害賠償請求(そんがいばいしょうせいきゅう) 商標を無断で使用したことで商標権者が被った損害を、金銭で賠償するように求められる可能性があります。損害額の算定方法は法律で定められており、場合によっては高額になるケースもあります。
  • 信用回復措置請求(しんようかいふくそちせいきゅう) 例えば、あなたが無断で使った商標のせいで、本家のブランドイメージが傷ついたと判断された場合、「謝罪広告を掲載しなさい」といった、信用の回復を目的とした措置を求められることがあります。

リスク2:刑事罰(懲役や罰金が科されることも)

「個人のブログだから大丈夫だろう」なんて思っていたら大間違いです。商標権の侵害は、実は犯罪行為にあたります。故意に他人の登録商標を侵害したと判断された場合、「商標権侵害罪」として刑事罰の対象となる可能性があります。

その罰則は非常に重く、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金(またはその両方)が科される可能性があります(商標法第78条)。法人の場合は、さらに高額な罰金が科されることもあります(商標法第82条)。

リスク3:ビジネス上の信用失墜

たとえ法的な問題に発展しなかったとしても、他人の商標を無断で使っているという事実が知れ渡れば、「他人の権利を軽視する人(会社)」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。

一度失った信頼を取り戻すのは非常に困難です。ビジネス上の取引が停止になったり、顧客が離れていったりと、長期的に見て大きなダメージを受ける可能性があります。

「知らなかった」は通用しない!

ここで最も注意すべきなのが、「その商標が登録されているなんて知らなかった」という言い訳が、原則として通用しないという点です。商標権の侵害は、故意(わざと)でなくても、過失(うっかり)でも成立してしまうのです。

公開されている登録商標を知らずに使ってしまった場合でも、「注意を怠った」と見なされ、責任を問われる可能性があります。

じゃあ、どうすればいいの?安全に情報発信するためのポイント

では、どうすればこのようなリスクを避けられるのでしょうか。安心してブログやビジネスを運営するためのポイントをご紹介します。

  1. 他人の商品名やサービス名を紹介する際は「商標的な使い方」を避ける ブログで特定の商品をレビューする場合など、その商品名を文章中で説明として使用することは、通常「商標の使用」にはあたりません。しかし、その商品名やロゴを、あたかも自分の商品やサービスの「目印」であるかのように使うことは非常に危険です。例えば、ブログのタイトルやヘッダーに他社のロゴを大きく掲げるような行為は避けましょう。
  2. オリジナルの名前やロゴを使う前には必ず調査を! 自分で考えた素敵な名前やロゴ。これを使い始める前に、必ず誰かが先に商標登録していないかを確認しましょう。【簡単チェックツール:J-PlatPat】 特許庁が運営する「J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」という無料のデータベースを使えば、誰でも登録商標を検索できます。
    • 「商標検索」 のページで、使いたい名称の「読み方(称呼)」や「文字」を入力して検索してみましょう。
    • 似たような名前が、自分が使いたい商品やサービスの分野(区分)で登録されていないかを確認することが重要です。
  3. 不安な場合は専門家に相談する 「この使い方は大丈夫かな?」「調査してみたけど判断に自信がない…」そんな時は、弁理士などの知的財産の専門家に相談することをおすすめします。専門的な視点から、的確なアドバイスをもらえます。

まとめ

登録商標は、企業や個人が時間と労力をかけて築き上げてきた大切な「財産」です。それを無断で使用することは、想像以上に大きなリスクを伴います。

トラブルを未然に防ぎ、安心して自分のビジネスや情報発信活動を行うためにも、商標権に関する正しい知識を身につけ、新しい名前やロゴを使用する前には必ず確認する習慣をつけましょう。

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