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「東京の公道をマリオの格好でカートが走ってる!」
数年前、そんな光景がSNSや海外メディアで大きな話題になったのを覚えているでしょうか?まるでゲームの世界から飛び出してきたようなこのサービス、多くの観光客に人気を博しましたが、その裏側では任天堂を巻き込んだ大きな訴訟問題に発展していました。
この記事では、
といった疑問を、誰にでも分かるようにスッキリ解説していきます!
まずは、この訴訟の基本情報を押さえましょう。
簡単に言うと、任天堂が「うちの名前やキャラクターを無断で商売に利用して、あたかも公式サービスのように見せかけるのはやめてください!」と訴えたわけです。
裁判では、主に2つの点が大きく争われました。
被告側は「マリカー」という社名でサービスを展開していました。
これは、有名なブランド名に“タダ乗り”して利益を上げる行為(フリーライド)が許されるか、という問題です。サービスを利用した人が「任天堂のマリオカートだ!」と勘違いしてしまうかどうかが大きなポイントでした。
被告の会社は、サービスの利用者に対してマリオやルイージといったキャラクターのコスチュームを貸し出していました。
キャラクターの衣装を貸し出し、それをサービスの魅力として宣伝することが、著作権を侵害する行為にあたるかどうかが問われました。
2018年の第一審から始まった裁判は、2020年に最高裁判所で判決が確定しました。
結論から言うと、任天堂の全面勝訴です。
裁判所は、以下のような判断を下しました。
これにより、被告の会社には損害賠償金5,000万円の支払いが命じられました。
判決を受けて、被告の会社とサービスは大きく変わりました。
現在も公道カートのサービス自体は続いていますが、利用者が着られるのはスパイダーマンやバットマンといった(おそらく許諾を得ている、あるいは権利関係がクリアな)別のヒーローキャラクターなどの衣装になっています。
このマリカー訴訟は、私たちに**「知的財産権」の重要性**を教えてくれる非常に分かりやすい事例です。
好きなゲームやアニメの世界を現実に、という発想はとても面白いものですが、そこには作り手の権利へのリスペクトが不可欠です。この一件は、エンターテインメントと法律の関係を考える上で、非常に重要な教訓を残したと言えるでしょう。
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