はじめに
- 最近よく耳にするAIによる音楽制作。誰でも手軽に作曲できる時代になりました。
- でも、そこで気になるのが「AIが作った曲の著作権ってどうなるの?」という疑問。
- この記事では、AIと著作権の基本的な関係から、利用する際の注意点まで分かりやすく解説します。
1. 著作権ってそもそも何?誰に認められるもの?
- 著作権とは?
- 思想や感情を創作的に表現したもの(著作物)を保護するための権利です。
- 音楽、小説、絵画、プログラムなどが対象になります。
- 誰に認められる?
- 原則として、著作物を創作した「人」(著作者)に自動的に発生します。
- 特別な手続き(登録など)は必要ありません。
2. AIが作った曲の著作権:現在の考え方
- AI自体に著作権は認められる?
- 現在の日本の著作権法では、著作権は「人間の思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義されています。
- このため、AI(人工知能)そのものが自律的に創作したと判断される場合、AI自体には著作権は認められないというのが一般的な考え方です。AIはあくまで「道具」として扱われます。
- 人間の「創作的な寄与」が鍵
- ここが重要! AIを使って曲を作る場合でも、人間がどのように関与したかによって著作権の帰属が変わってきます。
- 指示や命令の具体性:どのような曲調で、どんな楽器を使って、といった具体的な指示を人間が行い、その指示に基づいてAIが曲を生成した場合、その指示を出した人間に創作性が認められ、著作権が発生する可能性があります。
- 生成されたものへの修正・加工:AIが生成した曲に対して、人間がさらに編集、アレンジ、追加のメロディー作成などを行い、そこに創作的な表現が付加された場合、その部分について人間に著作権が認められると考えられます。
- 単なるAIの操作だけでは難しい
- AIに「何か曲を作って」と簡単な指示を出しただけで、自動的に生成された曲については、人間の創作的な寄与が低いと判断され、著作権が発生しない可能性が高いです。
3. AI作曲サービス・ツールの利用規約も要チェック!
- AI作曲サービスやツールを利用する場合、そのサービスの利用規約で生成された楽曲の権利について定められていることがほとんどです。
- 商用利用の可否:生成した曲を商用利用(販売、配信、広告使用など)できるか。
- 著作権の帰属:生成した曲の著作権がユーザーに帰属するのか、サービス提供側に帰属するのか、あるいは利用に制限があるのか。
- クレジット表記の要否:サービス名やツール名を表記する必要があるか。
- 利用開始前に必ず利用規約をよく読み、内容を理解しておくことが非常に重要です。
4. AI生成楽曲を利用する際の注意点
- 学習データの著作権
- AIは、大量の既存の音楽データを学習して曲を生成します。
- もし、AIの学習データに著作権で保護された楽曲が無断で使用されており、生成された曲がその楽曲と酷似していた場合、意図せず著作権侵害に該当してしまうリスクがあります。
- 信頼できるAIサービスを選ぶことが大切です。
- 他者の権利を侵害しないか
- AIが生成した曲であっても、既存の曲と偶然似てしまう可能性はゼロではありません。
- 公開や商用利用する際には、既存の楽曲との類似性にも注意を払う必要があります。
5. 海外の動向や今後の展望
- AIと著作権に関する議論は世界各国で活発に行われており、国によって法的な判断や整備状況が異なります。
- アメリカでは、人間による創作的寄与が認められないAI生成物については著作権登録を認めていない事例があります。
- 今後、技術の進化とともに法整備も進んでいくと考えられます。常に最新の情報に注意を払うことが重要です。
まとめ:AIと賢く付き合って音楽を楽しもう
- 現時点では、AI自体に著作権は認められにくいが、人間の創作的な関与があれば、その人に著作権が認められる可能性がある。
- AI作曲サービスを利用する際は、利用規約を必ず確認する。
- 学習データや生成された楽曲が、他者の著作権を侵害しないよう注意する。
AIは音楽制作の可能性を広げる素晴らしいツールです。著作権の知識を正しく理解し、ルールを守って、AIとの音楽制作を楽しみましょう!
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