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街のお菓子屋さんやスーパーで、私たちを笑顔で迎えてくれる不二家の「ペコちゃん」。その愛らしい姿は、もはや日本の国民的キャラクターと言っても過言ではありません。
ところで、店頭に置かれているあの「ペコちゃん人形」、実は法律でしっかりと守られていることをご存知でしたか?
今回は、多くの人に愛されるペコちゃん人形と、それを支える「商標登録」について、分かりやすく解説していきます。
商標登録第4157614号
「え、イラストやロゴだけじゃなくて、人形そのものが?」と驚かれるかもしれません。 その通り、ペコちゃんはイラストなどの平面的なデザインだけでなく、人形そのものの立体的な形状が「立体商標」として特許庁に登録されているのです。
これは、1997年(平成9年)に日本で「立体商標制度」が導入されてから、比較的早い段階で登録された事例の一つ。ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース人形と並んで、非常に有名な立体商標の登録例として知られています。
【知っ得メモ】立体商標とは?
商品の形や、お店に置かれている人形、看板の形など、立体的な形状そのものに与えられる商標権のことです。
文字やロゴ(平面)だけでなく、その「形」自体が「〇〇社の商品・サービスだ!」と見分けられるくらい有名で、ブランドの顔になっている場合に登録が認められます。ペコちゃん人形は、まさにその代表例ですね。
では、なぜ不二家はペコちゃんのイラストだけでなく、人形の形まで商標登録しているのでしょうか。その主な目的は3つあります。
ペコちゃんは、単なるキャラクターではありません。**「ペコちゃん=不二家のおいしいお菓子」**という、長年にわたって築き上げてきたブランドイメージの象徴です。
もし、誰でも自由にペコちゃんそっくりの人形を作れてしまったらどうなるでしょうか。粗悪な模倣品が出回ったり、全く関係のない商品やサービスに使われたりして、不二家が大切にしてきたブランドイメージが傷ついてしまうかもしれません。
「立体商標」として人形の形そのものを保護することで、悪質な模倣やデザインの盗用を防ぎ、ブランド価値を守っているのです。
私たちは、街でペコちゃん人形を見かけると、「あ、不二家のお店だ」と一目で認識することができます。これは、ペコちゃん人形が**「不二家」というブランドの出所を示す強力な「目印」**として機能している証拠です。
この「目印」としての役割を法的に守るのが商標権です。他社が勝手にペコちゃん人形を店の前に置くことを禁止し、消費者が混乱することなく、安心して不二家の店舗や商品を識別できるようにしています。
ペコちゃんは、お菓子だけでなく、文房具や雑貨など様々なグッズとしても展開されています。これは、不二家が他社にペコちゃんのデザインを使用する権利を許諾する「ライセンスビジネス」を行っているためです。
商標権という明確な権利があるからこそ、不二家は安心してライセンスビジネスを展開し、ペコちゃんの活躍の場を広げることができるのです。
ちなみに、不二家は「立体商標」以外にも、「ペコちゃん」に関する様々な商標を登録しています。
このように、文字、イラスト、立体形状と、あらゆる角度から「ペコちゃん」というブランドを多角的に保護する戦略をとっていることが分かります。
今回は、ペコちゃん人形の商標登録について解説しました。
私たちが普段何気なく目にしているペコちゃん人形が、実は法律によって手厚く保護された、不二家にとって非常に大切な「財産」であることがお分かりいただけたでしょうか。
次にペコちゃん人形を見かけたときは、その愛らしい姿の裏にある、企業のたゆまぬブランド戦略にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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