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「好きなアニメの名シーンをみんなにシェアしたい!」 「お気に入りの曲でアニメのMAD動画を作ってみたい!」
TikTokで大好きなアニメの動画を投稿したい、と思ったことはありませんか? タイムラインには、アニメの切り抜きやかっこいい編集をされた動画がたくさん流れてきますよね。
でも、ふと「これって法律的に大丈夫なの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、アニメの映像や音楽を権利者に無断でTikTokに投稿することは、著作権侵害にあたり、違法となる可能性が非常に高いです。
「でも、みんなやっているじゃないか」と思うかもしれません。しかし、法律は「みんながやっているから」を許してはくれません。この記事では、なぜ違法なのか、どんなリスクがあるのか、そしてどうすれば安全に楽しめるのかを分かりやすく解説していきます。
まず、基本となる「著作権」について簡単におさらいしましょう。
著作権とは、小説、音楽、絵画、そしてアニメなどの「著作物」を作った人(著作者)に与えられる権利のことです。著作者が自分の作品を、他人に無断で利用されないように保護するための法律で、作品が作られた瞬間に自動的に発生します。
アニメ作品の場合、以下のような様々な要素が著作権によって守られています。
これらのものを、権利者(アニメの製作委員会、作者、音楽の作詞作曲家など)の許可なく利用することは、原則としてできません。
では、TikTokでよく見かけるアニメ関連の動画は、具体的に著作権のどの部分に触れてしまうのでしょうか。
感動的なシーンや面白いシーンを数秒〜数十秒切り取って投稿する行為です。これは、アニメの映像そのものを無断でコピーし、インターネット上で誰でも見られる状態にする行為であり、「複製権」や「公衆送信権」という著作権の侵害にあたります。
アニメの映像に、別の音楽を組み合わせたり、セリフを面白く編集したりする、いわゆる「MAD動画」や「AMV(Anime Music Video)」と呼ばれるものです。
これも切り抜き動画と同様に著作権侵害にあたる上、元の映像を編集・改変しているため、著作者が意図しない形で作品を改変されない権利「同一性保持権」の侵害にも問われる可能性があります。
「音楽については、TikTokがJASRAC(日本音楽著作権協会)と契約しているから大丈夫じゃないの?」と思う方も多いでしょう。
確かにその通りで、TikTokはJASRACなどの著作権管理団体と包括契約を結んでいます。そのため、TikTokのアプリ内で公式に提供されている楽曲リスト(ミュージックライブラリ)にある音源であれば、ユーザーは許諾を得ずに利用することができます。
しかし、注意点が2つあります。
著作権法には、「引用」というルールがあり、特定の条件を満たせば、権利者の許可なく著作物を利用できる場合があります。しかし、この「引用」が認められるための条件は、私たちが思うよりずっと厳しいのです。
TikTokの短い動画フォーマットで、これらの条件をすべて満たすのは非常に困難と言えるでしょう。「考察」や「レビュー」目的であっても、安易に映像を使うのは危険です。
もし著作権侵害をしてしまうと、以下のようなリスクが考えられます。
「バレないだろう」と軽く考えるのは非常に危険です。
では、どうすればルールを守って、安全にTikTokでアニメコンテンツを楽しめるのでしょうか。
今回は、TikTokでのアニメ利用と著作権について解説しました。
大好きなアニメだからこそ、その作品を生み出してくれたクリエイターたちへのリスペクトを忘れてはいけません。ルールを守って、後ろめたさを感じることなく、正々堂々とTikTokでの創作活動を楽しんでいきましょう!
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