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【AIと著作権】AI開発での画像や文章の学習利用はOK?知っておきたい法律の話

🤖「AIにイラストを描かせたい」「AIに文章を要約させたい」

そんなAI開発が急速に進む今、多くの人が疑問に思うのが「学習データとしてネット上の画像や文章を勝手に使っていいの?」という点です。

今回は、AI開発と著作権の気になる関係について、法律のポイントを分かりやすく解説します。


## 結論:AIの学習目的での著作物利用は「原則OK」

結論から言うと、AIに学習させるために著作物を利用することは、著作権者の許可なく行えるとされています。

これは、2018年に改正された日本の著作権法第30条の4という条文で定められています。

この条文のおかげで、日本は世界的に見てもAI開発がしやすい環境だと言われています。


## なぜOK?「情報解析」という目的

なぜ許可なく利用できるのでしょうか?

それは、AIの学習が「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」に当たると考えられているからです。

少し難しい言葉ですが、簡単に言うとこういうことです。

  • NG 👎: 小説を「物語として楽しむ」ために読む(思想・感情の享受)
  • OK 👍: 小説の単語の使われ方や文の構造を「データとして解析」する(情報解析)

AIの学習は、個々の画像や文章を「作品」として鑑賞しているわけではなく、そこに含まれるパターンや特徴を「データ」として解析・学習しているだけです。この「情報解析」という目的であれば、著作権者の許可は不要とされているのです。

<具体例>

  • 画像生成AIが、大量の猫の画像を学習して「猫らしさ」のパターンを学ぶ。
  • 文章生成AIが、膨大なニュース記事を学習して、自然な文章の作り方を学ぶ。

## ⚠️ ただし注意!「例外」となるケース

原則OKですが、無条件で何でも許されるわけではありません。著作権法第30条の4には「ただし、著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。」という但し書きがあります。

これが適用される、注意すべきケースがこちらです。

1. 学習用の有料データベースを不正に利用する

AIの学習に使うことを目的として販売されているデータセットやデータベースがあります。これを、お金を払わずにコピーして自分のAIに学習させるような行為は、販売元の利益を不当に害するためNGです。

2. 海賊版など、違法にアップロードされたものを学習させる

著作権を侵害していると知りながら、海賊版サイトなどから大量の漫画やイラストをダウンロードしてAIに学習させる行為も、著作権者の利益を不当に害する可能性が高く、NGと考えられています。

3. AIの「生成物」が元の作品とそっくりな場合

これはAIの「学習」段階というより「出力」段階の問題ですが、学習の結果、生成されたAIのイラストや文章が、学習元の作品と酷似していたり、依拠している(元ネタに頼っている)と判断された場合は、著作権侵害になる可能性があります。


## まとめ:知っておくべきポイント

原則OK: AIの学習のために著作物を利用することは、著作権法第30条の4により認められている。

目的が重要: あくまで「情報解析」が目的の場合に限る。

例外に注意: 「著作権者の利益を不当に害する」場合はNG。特に、学習用データの入手元には注意が必要。

AI開発と著作権のルールを正しく理解して、技術の発展とクリエイターの権利が両立する未来を目指していきたいですね。

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