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毎日の食事の準備、山のような洗濯、食材の保存…。今では当たり前になった家事も、ほんの数十年前までは大変な重労働でした。そんな家事を劇的に楽にし、女性たちの暮らしに革命をもたらした「主婦の3大発明」をご存知ですか?
今回は、私たちの生活に無くてはならない、この偉大な発明品たちを一つずつご紹介します。
スイッチひとつで、ふっくらご飯が炊きあがる。
今では当たり前の光景ですが、電気炊飯器が登場するまで、ご飯を炊くのは大変な作業でした。かまどに薪をくべ、火加減を絶えず調整し、お米が焦げ付かないように片時も目が離せない…。そんな骨の折れる仕事から主婦を解放したのが、電気炊飯器です。
日本で初めて自動でご飯が炊ける「自動式電気釜」が登場したのは1955年(昭和30年)。東京芝浦電気(現在の東芝)が発売しました。釜を二重構造にするなどの工夫で、面倒な火加減の調整を不要にし、「スイッチを入れるだけで美味しいご飯が炊ける」という夢のような体験を実現したのです。
この発明により、炊事にかかる時間が大幅に短縮され、主婦は他の家事や自分の時間にゆとりを持つことができるようになりました。
たらいと洗濯板よ、さようなら。
かつて洗濯は、冷たい水に手をさらし、洗濯板で衣類を一枚一枚ゴシゴシと洗う、大変な力仕事でした。特に冬場の洗濯は、手がかじかむほどの過酷な作業だったと言います。
日本初の電気洗濯機は1930年(昭和5年)に芝浦製作所(現在の東芝)によって開発されましたが、当時は非常に高価で一般家庭には夢のまた夢。本格的に普及し始めたのは、戦後の高度経済成長期です。
洗濯槽と脱水槽が分かれた「二槽式洗濯機」が登場すると、その人気は爆発的に高まりました。ボタン一つで洗濯から脱水まで(移し替えは必要でしたが)自動で行えるようになったことで、女性たちは重労働から解放され、洗濯は格段に楽な家事へと変わっていったのです。
買い物のスタイルを変え、食卓を豊かに。
電気冷蔵庫が普及する前、人々の食生活は今とは全く異なりました。食材の長期保存は難しく、その日に使う分だけを市場やお店に買いに行くのが日常でした。夏場は特に食材が傷みやすく、主婦たちは頭を悩ませていました。当時は、上部に氷の塊を置いて冷やす「氷冷蔵庫」がありましたが、毎日氷屋さんから氷を買う必要がありました。
国産の電気冷蔵庫は1930年(昭和5年)に登場しましたが、これもまた高級品。一般家庭に普及したのは、白黒テレビ、電気洗濯機とともに「三種の神器」と呼ばれた1950年代後半からです。
電気冷蔵庫の登場は、食材のまとめ買いを可能にし、毎日の買い物の手間を省きました。また、様々な食材を新鮮なまま保存できるようになったことで、家庭の食卓はより豊かで多様なものへと変化していったのです。
「電気炊飯器」「電気洗濯機」「電気冷蔵庫」。これら主婦の3大発明は、単に家事を便利にしただけではありません。それまで家事に費やされていた膨大な時間と労力を軽減し、女性たちに**「時間」という貴重な贈り物**をもたらしました。
この時間的なゆとりが、女性が趣味を楽しんだり、社会で活躍したりするきっかけの一つとなったことは間違いありません。私たちの便利な暮らしは、こうした先人たちの知恵と努力の結晶の上に成り立っているのですね。
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